2012年3月1日木曜日

忘れらない言葉



79年の事。日本から姉と彼女の友人達がスウェーデンにやってきた。姉にとっては3回目の来瑞。それではスウェーデンから出ましょう。フェリーでデンマークに渡ればあとは束縛されず、西に南に特に目的なしに9人乗りの車でヨーロッパの田舎を走り回る事ができる。ホテルは、毎日いきあたりばったりで何とか見つかった。ところがオーストリーに入って、夜9時過ぎになってもペンシォンもホテルも見つからず、最後の望みで入った村でも満室と断られ途方に暮れていた所、中年の女性が通りかかり『泊まる部屋がないのですか?』と近付いてきた。我々の事情を聞くと、『私の家は子供が5人いたので部屋があるのでどうぞ』こちらは、我々の子供2人プラスもう一人12歳の子供、おとな6人の9人団体。しかも我が旦那を除いては全て日本人。彼女が天使に見えました。朝起きると朝食の支度が出来ており頭が下がりました。宿泊代を台所に置いて出たら、『インスブルックで美味しいお昼でも食べなさい』と返してきた。そして彼女は  『我々の19歳になる息子が今オーストラリアで一人旅をしていて、きっと誰かにお世話になっていると思います。そのお返しがあなた達に出来てこんなにうれしいことはありません。』  何とおおらかな考え方をする人でしょう。  この言葉はそれ以後私の脳裏に刻み込まれたままです。

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